玉井 信漆芸展  
 
寿記念
 
  平成20年7月3日(木)〜7月13日(日)
 
  午前10時30分〜午後6時30分 火曜定休  
  7月3日(木) 表千家 長沼 宗清先生
7月4日(金) 表千家 田中 宗芳先生
7月6日(日) 表千家 高内 宗睦先生
 
 
玉井信漆芸展の
寿記念の御呈茶会も会場内に設けてござ
います。お誘い合わせてのご来場をお待ちしております。
 
  漆芸家の玉井信さんが久しぶりに地元山形で個展を開くという。数え年の喜寿を迎えての記念であり、心からお慶び申し上げます。満16歳のときに、山形市在住で蒔絵技法の名匠として知られた結城哲雄に師事した玉井さんにとって、ことしは作家活動60年でもあります。
ご周知のとおり多種多様な工芸の世界にあって、漆はまさに天の恵みともいうべき優れた素材である一方、これほど扱いの難しい素材はないといえます。日本人の繊細な感性と手先の器用さが相まって、漆芸はわが国において高度に花開き、英語のジャパン(japan)は日本と同時に漆器を意味しているほどです。
若くして漆芸に情熱を傾けた玉井さんは、弱冠20歳にして日展初入選を果たし、その後は県美術の運営委員として工芸美術の発展に尽力されてきました。また、玉井さんは師直伝の蒔絵はもちろん乾漆、螺鈿、平文などの技法に習熟しており、作品のもつ完成度の高さはつとに知られています。
今回は、楽茶碗とみまごう乾漆の茶碗をはじめ、水指、花入、棗、香合などの茶器を中心に、屏風や飾り壺もあわせて50点ほどが展示されます。いずれも玉井さんの熟達した技と現代的な造形感覚が生み出した秀作であり、多くの美術愛好家の皆様にご鑑賞いただけるよう期待しております。
山形美術館館長  加藤 千明
 
 
展示作品 artwork
花入 『竹一重切』
呈茶席での道具一式 、 茶碗、茶杓の他、 掛け物も自身によるもの
掛花入 『ひょうたん』
上のふくらみがなく、下部だけが膨らんでいるとても珍しい形。花を入れる部分も絶妙な位置に開けられており、円形でないので花が生けやすい。
  棗 『根来』  
  玉井さんの朱はとても幅が広く、美しい。根来とは、もともと僧侶が修行の間の食器として自分で補修しながら使っていたもの。 使い込まれる毎に磨り減り、下地の黒が透けてくる。その色調ともに茶人に好まれ、現在でも根強い人気がある。  
 
 
他作品として、乾漆による稀少な茶碗、櫟(イチイ)の木で作られた茶筥(小さな道具を入れて出先で使えるように作られたもの)なども展示しています。
 
 
展示作品 artwork
 
乾漆花入
屏風『九輪草』 陶漆壷『べっこう塗』
 
 
 
銘々盆 『雪月花』
 
   
香合 『六陵 波千鳥』
六角に乾漆で蓋物を作るのは至難の業 漆を盛っては磨きを繰り返す。写真では見えにくいが、波しぶきの小さな粒は螺鈿を施している
  菓子盆 『もみじ』 朱塗  
  もみじは秋だけではなく、夏でも流水と合わせて使える絵柄の一つ  
   
香合 『団扇形』 (千鳥)
螺鈿が縁に隙間なく装飾された緊密な空間、市松の蒔絵が見事な作品。
   
  棗 乾漆 朱 『菊枝』  
     
     
  それぞれに多くの時間をかけ、大切に作り出された見ごたえある作品が多く展示されています。細やかな細工などは写真ではお伝えきれないものばかりです。
展示されている順番や、組み合わせにもさりげなくストーリーを感じて頂ければ玉井さんの世界をより一層楽しめるのではないでしょうか。
そして作品をもっと愉しむには、展示台を、茶室の畳の上だと置き換え、”畳目線”にてご覧下さい。
いつもより、ゆったりと作品と向き合えるかもしれません。
 
     
 
 
 
 
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